劇場版銀河鉄道999
松本零士と言えば、僕の場合はこれになる。
最初に観た劇場用アニメ映画で、最初に買ったCDは「交響詩 銀河鉄道999」だ。
これは映像作品として見ると崩壊の美しさが際立つ。
時間城が錆びて朽ちていく様、機械化母星がバラバラになっていく様、その中を時に一人で時にメーテルの手を引いて駆け抜けていく鉄郎は地球を旅立つ際に流れるテイキングオフの歌詞そのままに、
年老いた大地を思いきり蹴って
行く、それらを作った人に取り込まれずに。
崩壊シーンなんてラブシーンの音楽かもしれない。
これを、かつては年に一回ずつレンタルで観ていたのだが、いつの間にか観なくなっていた。
いつだったか、職場の先輩がこの映画のレイトショーのチケットを取ってくれ「一緒に行こう」とかで観に行った事がある。(劇場版999は人気で時々映画館のレイトショーで流れたりするので見たい人は巨大なスクリーンで一度くらいは是非。)
職場で「目が死んでる」とか言われていたので、励ます気持ちでの999だったのかな?。
有難いね、先輩。
映画後、ハーロックのセリフの引用して
若者が未来を作るのだ。親から子へ。子からまたその子へ血は流れ、永遠に続いていく。 それが本当の永遠の命だと、俺は信じる。
「俺もそう思うから、結婚しなよ(YOU、永遠の命GETしちゃいなYO)」
みたいな事も言っていた。
松本零士直撃世代は、こんなにちゃんとしてるのかと驚きもし、熱いもんだなとも思ったし、いい影響を与えたな零士松本とも思った。
ただ、驚いたのがその時、僕は映画に全く感動しなかった。
「ちょっと駆け足な作品だったんだなぁ劇場版999」
みたいな分析調になっていた(言わない)。
心で受け取らずに情報にしていく感じ。
疲れ過ぎてたのか、人として乾いてる感じがあったかも。
だから、松本零士詣りに行きたかったのかもな。
君が気に入ったなら、この船に乗れ
いつか無くした夢が ここにだけ生きてる
どこへ行ったのか かわいい野の花は
どこに行ったのか やさしい魂は
君が生きる為なら この船に乗れ
いつか無くした夢が ここにだけ生きてる
これ、999じゃなくて、ハーロックだ。
すると、
早く人間になりたい
全然違う奴だ、これ。
松本零士を心に留め置いたまま大人になった先輩は偉い。
全く「さらば」じゃない999、こっから取り戻す。