インターネットポルノ中毒 やめられない脳と中毒の科学
ゲーリー・ウィルソン (著), 山形浩生 (翻訳)
出版社 DU BOOKS
初版発行2021年3月31日
2刷発行2021年5月24日
これは図書館で借りたものだが、2刷だった。
版元ドットコムによれば
重版情報
7刷 出来予定日: 2023-02-16
6刷 出来予定日: 2022-03-31
4刷 出来予定日: 2021-09-06
3刷 出来予定日: 2021-07-26
2刷 出来予定日: 2021-05-24
インターネットポルノ中毒 ゲーリー・ウィルソン(著/文) - DU BOOKS | 版元ドットコム
7刷されている。注目度の高さと売れ行きが良いのが分かる。
タイトル通りの内容でインターネットのポルノ、動画とかを見すぎると中毒になってしまって、色々と悪い事が起きますよ、もしかしてあなたの不調の原因はポルノの見過ぎではありませんか?
と言う本。
読み切れない、これはちょっと難しい本かもしれない。
翻訳特有の言い回し、脳についての詳細な解説、多くの実体験、対策。
どれもが濃い。
ザーッと読んだ感じだと、勃起障害や女性との付き合いに問題を抱えた男性、実際の女性に欲望が湧かないとか、がこの20年位ドンドン増えている、酷いのだと思春期辺りから増えている。
確定的な証拠は無いが、その間に起きた大きな変化と言えばインターネットの普及だろう、特にそのポルノ動画の影響じゃないか?辺りから始まって。
学術的なデータや、アメリカのネットのコミュニティにおける中毒者達の経験等を引っ張ってきて、ポルノを見るのを控えれば問題の多くが解決しそうだ。
と言う大きな筋道が出来て、それを証明するような文章が並ぶ。
中毒の症状は、単にポルノを見るだけでなく、より過激な映像より多くの映像とエスカレートしていく事や、視聴が長時間になってに生活に支障をきたすとか、先程の勃起障害や、女性との付き合い自体が出来ない、射精に至らない、しても異常な性交渉を求める、付き合っている女性に性的興奮を感じない等、
更に無気力、集中できない、将来を見据えた努力が出来ない、自己肯定感の低下、鬱。
ポルノを見ないと不安、何かストレスが有るとポルノで解消、そのくせポルノを楽しんでもいない。
廃人みたいになるんだそうだ。
ここで結構大きな問題は、この状態で病院に行くと他の病名で診断されてしまう。
すると治らない。
「ポルノ凄い見ましたか」と聞く医者はそんな居ないから
根っこが解決せずにドンドン進行してしまうと。
脳の回路が作り替えられてしまうんだそうだ。
アル中や薬物中毒、ギャンブル中毒などと似た様なものかも。
話それるが、週刊少年ジャンプ。
桂正和の電影少女(ビデオガール)と言う作品がある。これはあるお店で借りたレンタルビデオを再生すると、自分の言う事なんでも聞いてくれる女性がテレビから実際に飛び出てくると言う設定。
主人公は、壊れたビデオデッキで再生してしまったために、言う事を聞かない女性が出て来て苦労する。
主人公が自制心が強いのと女性に対して臆病であったこと、そして出てきた女性が不完全だったために、面白い話になってしまう。
のだが、正しく言う事を聞いてくれる完全体の女性と出会ってしまえた登場人物がいて彼は、性的欲求を含めた欲望が暴走して、確か1週間足らずで廃人になってしまった。
更に変わって、天竺浪人と言う主に成人向けの漫画を描いてる漫画家がいて、
「星に願いを」だったか、魂が腐って主に性欲の奴隷になってるゾンビの様な廃人の様なのが街にゴロゴロいる的な話があった、一応普通の人なんだけど実はみたいな。
過激化と言う意味では、
若い男女で過激な性交渉がエスカレートしていって、殺すか殺されるかしか後は無いとこまで行った傷だらけの女性がヒロインとかもあった。これは「Cross」だったかもしれない。
「何でもありになる」と困ったことになるのはネット以前から描かれてるのね、こっちは一応は肉体を持った女性が相手だけれど。
話し戻って
そもそものポルノ中毒、ポルノ依存とはどれくらいの時間ポルノを見てる事を言うのか?
あたりから解決法まで書いてるが濃くて、図書館で借りてどうなるもんでもない。
ないんだが、適当読みだと
ザックリ言えば見るのを止める、人にもよるが3か月とか一生とか、すると色々な症状が改善する、するが途中で性的に衰えたように感じられる期間があるかもしれない、ソコは恐れずに我慢すればその内にポルノを見たくてたまらない気持ちは治まり、女性に対する自然な感情・反応が復活する、その他の困った症状も改善すると。
多くの体験談や対策等あるから、自分に合った物を見つけると。
言ってみればポルノ断ちになるわけだが、これも安易にやると酷くなる、もっと見る様になるらしいので、ちゃんと読む必要がある。本ではポルノ依存に理解のある医師がいればそれを薦めてもいる。
ポルノに関して言えば自分も見るが、確かに見てると止まらなくなる感じがある。
それが、この本で書かれてる程に重大な事になるとは思わなかった。
最近、人口甘味料の発がん性についての報道があったが、疑似的な快楽は悪魔との取引みたいなとこが有るのかもしれないね。
もしかしたら、自分も気づいていないだけで、ポルノの副作用で物凄く能力が落ちた状態で生活してるのかもと思うと怖くなる。
そのほかの依存症への対策としても効果が有りそうにも思えるし、生活習慣の改善法等もあり、役に立つ本と思う。
一例出すと、部屋の模様替えをすると「この状態・風景になったらポルノを見る」
みたいなスイッチが入らなくなって良いんだよ。とか。
根性論じゃなくて、環境から整えていく感じが今どきのスマートな感じ。
索引・参考情報は英語ばかりなので敷居の高さを感じた。
日本では?、とちょっと調べてみたが、ポルノ断ちまでしなくても…
と言う研究者の人は居た。
後、こういう新しい症状に対しての研究と言うのは、証拠が全部そろってからでは遅いが不確かでも困ると言うので難しいとこと言うのも、なるほどと思った。
それにしても、どの辺からポルノなのかしらと考えると成人指定の物差し決めてる人みたいな気持ちになる。
「この水着はどうか?」「どうしてこんなHな広告がここに…」とか。
逆に街歩いていて、ずっとムラムラしてる人になったらどうしよう。
その内にちゃんと読む。