14歳の自分に伝えたい「お金の話」
藤野英人 (著) マガジンハウス
2021/5/13 ¥1,500 税込
投資家が14歳の頃の自分に、語りかける様に書いた「お金」の本。
雰囲気的には吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」に似た印象を受ける。
表紙を含めて各章の扉絵を飾るイラストも爽やか。
お金から銀行、信用、貯金、暗号通貨、寄付、投資、仕事と、
用語の解説と言うより、それらが人生に繋がっているのだと言う文章が多い。
読みやすい。
ただ、食費が幾ら学費が幾ら家の修繕費が保険料がって話ではなく、もうちょいピュアな視点、、、概念の話になるのかな、難しい話ではなくて、まだ保護されてる環境だからこそ血なまぐさい部分は置いといてって文章ではある。
1円も稼いでない14歳の自分(無職・要介護の高齢者)も、お金の流れの中でも意味ある存在で、意思と行動で経済活動に影響を与える事が出来る。
日本人の持つ、お金・投資を含めた経済活動に対する微妙な距離と言うか抵抗感を取り去ってくれる。
お金に対するイメージを綺麗にしてくれると言うのかな。
これを読んだからと言って節約するとかってことにはならないかな。
むしろ、どうやったら生きたお金の遣い方が出来るかになりそう。
悩み多き14歳への人生のアドバイスもやたら多く、この本の様な事を助言してくれる人が当時の著者にも居たらなぁ。と言うのが伝わる。
(´・ω・`)自分にも居たらよかった。
印象に残った部分。
酒屋と味噌屋はその財力を使って貸金業を始める。
寺は~お金を貸し付けるように~寺がどうして低めの金利に出来たか~「返さなければ地獄に落ちるぞ」~「僧兵」と言う回収専門の軍人を雇って~あの有名な「弁慶」も僧兵でした。
鎌倉幕府が倒れるきっかけ~貸金業者~トラブルでした。
廃藩置県~施策は「借金帳消し」~大名専用の両替商の多かった大坂では自殺者が激増し、道頓堀の水が真っ赤に染まった~。
人間の本音は”売るもの”ではなく”買うもの”に表れる。
買物は一番身近で簡単な「生き方の主張」なのです。僕らは誰でも等しく社会を変える力を三つ持っている。
御恩と奉公~”一所懸命”が”一生懸命”に変わったのが、正に昭和の~一生を捧げて働く代わりに~終身雇用制度。
就職活動~僕が重視しているポイント~本質はもっと地味な所にあります~「〇〇の写真」が載っているかどうか。~成長する確率が高い~。
メッセージが掲載されていたら~チェックポイントは”主語”~。
どうしようもなくなったら「逃げる」という選択肢を~。
~言わないだけで、周りの大人たちだって、しょっちゅう逃げているのだから。
実は14歳の君でも直ぐに投資家になれます。口座開設するために大人の手助けは必要だけれど、株式市場は万人に開かれています。
やりたい事を~早く到達するために~先輩を真似る~学びの機会を活用して、ワザを盗み~。
「始めることを、大人になるまで待つ必要はない」
引用し過ぎでしょう…。
投資家の顔が強めに出てくる所が、真剣を抜く侍感あってギラッとして良い。
読んでて心洗われる本でした。